Incomparable H

海外暮らし あしかけ25年

大手メディアに溢れるスピン・ドクターたち

海外で生活するようになって20年、そのあいだ日本のテレヴィは一時帰国している時期をのぞいて、ほとんど見る機会がありませんでした。しかし、3.11 をきっかけとして、ネットの発達とともに YouTube などで日本のテレヴィ番組を少し見られるようになっていることを知り、それ以来僕なりに観察しています。

そこで、気づいたことは、僕が日本にいたころには、およそテレヴィに出ることなどできなかったようなスピン・ドクターたちが、コメンテーターや評論家として大挙して画面に出ていることです。彼らの発言は、以前では放送されることがなかったような品性のない酷いものが多いのです。ふかく考える暇のない忙しいお茶の間の人々は、なんの配慮もないまま放送されると、単純明快でストレートに表現する彼らのメッセージを真に受けとめてしまうでしょう。明らかに世論を操作しようとしているのが分かります。

どうして、このようになってしまったのか、メディア論を研究している人々にしっかりと検証して欲しいと思っています。

日本の国民の嗜好が変わったのか、あるいは水面下で、ある政党や政府あるいは官僚が政治的な力をつかってスピン・ドクターたちがテレヴィに出やすい環境を徐々につくりあげてきたのか?いまのテレヴィ局は、政治家の子弟がゴロゴロしていると聞きます。

おそらく、時間をかけてゆっくりと進行していることなので、日本のなかにいる人々は気がつかないのだと思います。