No, No, No
2018年ごろから、海外のDJたちが熱心に発掘して世界的に再認知されてきている日本の「シティ・ポップ」と呼ばれるジャンルのものを聴いているのですが、日本産のレア・グルーヴだと思っています。
ここのところ気に入っているのは、1990年代後半に活躍し、最近になって再評価されている具島直子さんの "No, No, No" (1998)です。Soul II Soul 系統のグランドビートにジャズ・ピアノを絡ませ、背後には The Stylistilics の "You Make Me Feel Brand New" (1974) を思わせるシタールの音色のような弦のアレンジ(山下達郎も "Get Back In Love Again" で使っていますね)。とにかくメローな一曲です。
また "No, No, No" と No を三回ほど繰りかえすサビのフレーズは、レゲエ・シンガー Dawn Penn の名曲 ”You Don't Love Me (No, No, No)” (1994) を感じさせずにはいられません。
アレンジャーがネリー・フーパーだったら、Sade の記念碑的な "No Ordinary Love" (1992) のミックスのように、もっとスネアのタメを入れて地を這うようなリズム隊にし、さらに良くなっただろうと想像します。