東京を感じさせる3冊
3月8日(水)の銀座ソニービルでの『ジオコスモスの変容』出版記念イヴェントを前に、東京をテーマにした3冊を選んでくれと依頼されました。西洋文化史を扱った本の出版イヴェントのために、東京についての本を選ぶというのも、ちょっと無理筋です。2~3日ずっと考えているのですが、思考停止の状態にはまってしまったらしく、まったく浮かびません。今日もランチをともにした幾人かに相談してみましたが、どうも良いインスピレーションが湧きません。
ジオコスモスの変容: デカルトからライプニッツまでの地球論 (bibliotheca hermetica叢書)
- 作者: 山田俊弘,ヒロ・ヒライ
- 出版社/メーカー: 勁草書房
- 発売日: 2017/02/18
- メディア: 単行本
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そもそも1994年からずっと海外暮らしなので、「東京を感じさせる本」というものとの付きあいが希薄です。無理矢理に探すとしても、東京でのシンポから生まれた『知のミクロコスモス』では、苦しいですよね?同時に入れたいと思っているボッティチェリ本も、なぜこれが東京なのかといわれると答えに窮します。
知のミクロコスモス: 中世・ルネサンスのインテレクチュアル・ヒストリー
- 作者: ヒロ・ヒライ,小澤実
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2014/03/07
- メディア: 単行本
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ボッティチェリ《プリマヴェラ》の謎: ルネサンスの芸術と知のコスモス、そしてタロット
- 作者: クリストフ・ポンセ,ヒロ・ヒライ,豊岡愛美
- 出版社/メーカー: 勁草書房
- 発売日: 2016/01/21
- メディア: 単行本
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家に帰ってベッドのなかでウンウンと唸っていると、ちょっと光が見えてきました。もしかして、いまの東京でなくて、昔の東京についてでも良いなら、そしてしかも小説でも良いなら、永井荷風の『墨東奇譚』は映画版も含めて好きですし、僕自身も一時期はペンネームに「玉ノ井」を使っていたこともありますので、これで良いかなと思うようになりました。
待ってくださいよ、古い東京でも良いなら、いっそのこともっと時代をさかのぼって江戸でも良いですよね?そうすると近代以前ということで、僕の仕事の世界ともなんらかのつながりがでてきます。ということで、江戸ものでは、この本が面白いのではないでしょうか?
これらの本は、僕がヨーロッパに渡る前の時期、つまり学者になる以前に馴染んだものばかりなので、僕のなかでのアートの時代(美術部+フリーター)ということになります。それなら、文学の立場からヴンダーカマーにとりくんだ、以下のものもありではないでしょうか?
ああ、これなら「コスモスグラフィア」(宇宙誌)ということで、『ジオコスモスの変容』のなかで議論されている大事な話題のひとつです。これは、お後がよろしいようです。
明日までに他にもっと良いアイデアが浮かばなければ、これで提出したいと思います。