Incomparable H

海外暮らし あしかけ25年

農業の行方

全中が折れて、農協改革を受け入れたと聞きます。そこで見かけた記事の一部につぎのように書いてありました。

「今回の農協改革によって、全中のタガが外れたことで、全国一律ではなく各地の農協が独自に知恵を絞って農家を手助けしていけば、組合員の収入が増やせるような仕組みができたことになる。」

一見して素晴らしいことのように見えますが、そこにはレトリックの罠があります。これは「各地の農協が独自に知恵を絞って農家を手助けしていけば」という前提に乗った議論で、ここが落とし穴ではないかなと思います。すべての農協がクリエイティヴなシゴトをできるわけではないしょう。要するに、全国一律ではなく競争原理を導入して、勝ち組も生まれるが、負け組も生まれるという意味ではないでしょうか?またしても、弱肉強食の論理です。大抵の場合、ごく少数の勝ち組にたいして、大多数の負け組が生まれる仕掛けです。こうして目先の経済効率だけ追及していくと、ますます農業を主軸とする地方は疲弊し、儲かる部分は最終的に外国資本に独占されるという流れになっていくのではないでしょうか?そして政治家たちは、こうして儲けたところからバック・マージンをもらうのでしょう。