Incomparable H

海外暮らし あしかけ25年

人質事件の終えん

すべてが良いというわけでははないですけれど、フランスという国には素晴らしいところがあります。たとえば、自国民が外国で人質になると国を挙げて全力で救出しようとします。そのためには手段を選ばず、あらゆる手を尽くします。人質が危険地帯を取材するジャーナリストなら、なおさらです。その点はいつもすごいなと思います。

今回の人質事件はイラク派兵以来の日本の外交路線へのリアクションとして出てきたもので、好戦的な首相が引き金を引いた明らかな失策から生まれたものです。ロジスティックがないことから、対策は他国頼みです。

しかし、今回とくに僕が驚いたのは、その首相を擁護する一連の人々が自己責任論を声高に叫んでいることです。そして、それを大手メディアが何の羞恥心もなく報道して増幅しています。原因や経緯はどうであれ、自国民が人質となれば無事の救出を願うのが普通の人としての感覚ではないでしょうか?つまり、日本人は日本人にたいして冷たいのです。皆さんも、いざ何かあったときは、政府は助けてくれないと覚悟しておいた方が良いでしょう。これが「美しい国」の現状なのです。フランスをはじめとする国々とは真逆の態度です。