Incomparable H

海外暮らし あしかけ25年

腑に落ちた

昨晩はワルテールとフランカと会って食事をしながら、昼間に起こったアパートのカギ騒動について説明しました。そこで、ワルテールは二つの可能性を提示してくれました。一つは、単に大家がウソをついているというもの。これは昨日書いたとおり、僕も思いつきました。もう一つは、驚きなのですが、どこかのアパートの大家がカギ開け職人を送り込んだのだけれど、アパートを間違えて、僕のところを開けてしまった。しかし、すぐに間違いに気づいて応急処置として二つあるうちの一つの鍵だけ新しいものにして立ち去った。もちろん、親方や大家など誰にも自分の過ちを知らせることはないだろう、というものです。「なに言ってんの?ワルテール、そんな話あるわけないよ!」と、あまりのグラマラスな話に、その場では大笑いしたのですが、この能天気な南ヨーロッパ(ワロン地方は半分イタリアです、というかシチリアです)という文脈では「ありげ」 likely ではあります。

果たして大家さんは指定どおり、11時半にやってきました。若手の女性なのですが、今回はお父さんを同伴してきました(アダム君のお父さんのように、この業界では海千山千の人なのだと思います)。一目、鍵穴を見ただけで、「これはカギ開け職人がアパートを間違えたのだよ、きっと」と言いました。おお、それってワルテールの言ってたグラマラスなほうな可能性じゃない!?ということで、僕としては腑に落ちました。うっかり者の職人は、鍵をこじ開けてから、なんだ違う家だ!と気がついて、応急処置だけして逃げたのです。普通の鍵の方は、人を手配して金曜日には直すと大家さんは言ってくれました。

さて、それでも300ユーロも出した特別な鍵の方を直したいのが人情です。鍵をばらしてみたら、僕にも下の写真のような鍵のココロの部分がはずせました。もともと鍵を買ってつけてもらった専門店 A la Forge に持って行って相談すると、30ユーロだよ、ということで案外安い値段で新しいココロを手に入れることが出来ました。直し方の説明を受けて、自分でやってみると、20分くらいで簡単に直せました!最初にドアに穴を開けたり、正しい位置を決めたりするのが職人技のいるところなのであって、位置の決まっているところに、古いココロを外して、新しいココロをカチッとはめて、ネジを回せば良いだけのことなのです。最初の300ユーロは人生の投資 (life-time investment) ということだったのだと理解することにしました。
http://www.pagesdor.be/ms/ms/a_la_forge_sa-mr_colosio_sa+liege+ms-117793.html

仕事初日を迎えたクレアは、ドイツ本社で3日間の研修を受けるためにオランダ支社長ともう一人と3人でデュッセルドルフ空港から飛び立ったのですが、搭乗前にさっそく空港ターミナル B のなかに支店を出している寿司屋『キカク』を支社長とともに試したようです。好物のトビコがあったと喜んでいました。