Incomparable H

海外暮らし あしかけ25年

不条理

日曜のあいだに注文のあったアマゾンの品を発送するためにオフィスに行き、その足でそのまま電車に乗ってリェージュに向かいました。予定通り、13時過ぎにアパートに着いてみると、キャンディさんの説明どおりの状態になっていて、僕の鍵は鍵穴に入りませんし、もうひとつの鍵穴は目止め剤のようなものでふさがれています。

キャンディさんの家に避難する前に、知的障害のある隣人シャルルに僕の留守の間に何か変なことはなかったか聞いてみると、何とも訳の分からないことを言いながら、鍵をひとつ出してきました。それを入れてみると、ドアが開きました。何と!どういうことでしょう?しかし、アパートの内部は何も盗まれた様子はないようです。シャルルに問いただしても全く要領をえないし、気持ちが悪いので、大家に連絡してみましたが、大家も鍵の付け替えなどした覚えはないと言います。

仕方ないので、とりあえず近くの警察署に届け出ることにしました。警察署では、盗難物がない場合、大家に来てもらって状況を確認してもらい、それからでないと届出(ドアや鍵の損壊は大家でないと届出は出せません)は出せないと言います。何か盗まれたものはないか良く確認してくださいと言われました。

アパートに戻ってきたところで、再び大家から電話があったのでそれまでの状況を説明しました。明日に来てくれるそうです。しかし、どういうことなのでしょう?犯罪として、何か盗むつもりだったら、なぜ立ち去る前に新しい錠前をつけたのでしょう?なぜ、その鍵を隣人シャルルに預けていったのでしょう?大家以外に、誰がそんなことをするのでしょうか?大家ではないとすると、いったい誰なのでしょうか?

あまりに不条理すぎて意味不明です。居ても立ってもいられなかったので、クニ君とキャンディさんと次々とスカイプで話して、数日前にブログで人生とは不条理なものなのだと書いたので、不条理なことがおこったのかな?という話になりました。混迷の度合いは、ますます深くなっていきます。

しかし、どうもシャルルの言っていることは五里霧中です。僕のドアを開けられる鍵は、ずいぶん前に病院で誰かがくれたといいます。つまり、鍵を付け替えた人物がくれたのではないと言いたいようです。それはどう考えてもおかしい。しかし、彼は身体的なハンディ・キャップもあるので、実際に鍵の付け替えの工事などはできるはずがありません。仕上がりを見るに、どう考えても技術のある人間がやったとしか思えません。なんとなく、彼の周りの人間の誰かのような気がします。しかし、何の目的で???